高次脳機能障害
1高次脳機能障害とは
交通事故で脳に損傷を受けたことにより、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会行動障害などが生じ、日常生活、社会生活に制約がある状態を高次脳機能障害といいます。
2後遺障害の認定基準
高次脳機能障害については、以下の基準により後遺障害が認定されることになります。
別表第1 1級1号 | 身体機能は残存しているが高度の痴呆があるために、生活維持に必要な身の回り動作に全面的介護を要するもの。 |
---|---|
別表第1 2級1号 | 著しい判断力の低下や情動の不安定などがあって、一人で外出することが出来ず、日常の生活範囲は自宅内に限定されている。身体動作的には排泄、食事などの活動を行うことが出来ても、生命維持に必要な身辺動作に、家族からの声掛けや看視を欠かすことが出来ないもの。 |
別表第2 3級3号 | 自宅周辺を一人で外出出来るなど、日常の生活範囲は自宅に限定されていない。また声掛けや、介助なしでも日常の動作を行える。しかし記憶や注意力、新しいことを学習する能力、障害の自己認識、円滑な対人関係維持能力などに著しい障害があって、一般就労が全く出来ないか、困難なもの。 |
別表第2 5級2号 | 単純繰り返し作業などに限定すれば、一般就労も可能。ただし新しい作業を学習出来なかったり、環境が変わると作業を継続出来なくなるなどの問題がある。このため一般人に比較して作業能力が著しく制限されており、就労の維持には、職場の理解と援助を欠かすことが出来ないもの。 |
別表第2 7級4号 | 一般就労を維持出来るが、作業の手順が悪い、約束を忘れる、ミスが多いなどのことから一般人と同等の作業を行うことが出来ないもの。 |
別表第2 9級10号 | 一般就労を維持出来るが、問題解決能力などに障害が残り、作業効率や作業持続力などに問題があるもの。 |
3後遺障害の認定に必要なこと
高次脳機能障害が後遺障害として認められるためには、頭部の画像、事故直後の意識障害、高次脳機能障害であることを示す典型的な症状など、いくつものポイントがあります。
適切な後遺障害認定を受けるためには、事故直後からこうしたポイントを意識しながら資料を集め、準備を進めていくことが重要といえます。