肩腱板断裂
症状
肩の挙上困難、運動痛等があります。
検査
X線撮影で腱板損傷を疑わせる所見が確認でき、MRIによって腱板断裂の確定診断を行います。
治療
保存療法では局所安静を行い、薬物療法ではNSAIDsの内服、ステロイドまたはヒアルロン酸の関節内への注射、手術療法では関節鏡視下腱板断裂修復術を行います。
裁判例
千葉地裁平成29年 6月28日判決(自保ジャーナル 2006号)
肩腱板断裂と本件事故との因果関係が争点となったところ、裁判所は以下のとおり判断し、因果関係を認めた上で25%の素因減額を行った。
「原告には右肩に無症候性の腱板断裂があり,これが本件事故により有症候性のものになったと認められる。
そして,無症候性の腱板断裂が高齢者に多いものの,これが平均的な65歳の者の身体的特徴の範囲内のものということができるかについては疑義があり,民法722条2項の過失相殺の規定を類推適用するのが相当である。
もっとも,腱板断裂が疾病であるとしても,無症候性であり,高齢者に多いことは,素因減額により減ずる割合を少なくする方向で斟酌すべきである。
したがって,原告の損害のうち右肩腱板断裂に関係するものについては,民法722条2項の規定を類推適用して,その25%を減ずるべきである。」