将来的な疼痛、痺れ等の症状の蓋然性を理由に後遺障害7級で慰謝料1500万円を認めた裁判例

大阪高等裁判所平成18年9月28日判決(交通民集39巻5号)

事案

被害者は本件事故により、頸椎捻挫,左肩関節捻挫,左第7肋骨骨折等の傷害を負った上,RSDないしCRPSに罹患して左上肢が機能しなくなったと主張し,後遺障害について争いとなった。

後遺障害等級

7級

裁判所は、被害者の後遺障害について障害等級7級4号の「神経系統の機能又は精神に障害を残し,軽易な労務以外の労務に服することができないもの」に相当すると判断した。

慰謝料

後遺障害慰謝料 1500万円

後遺障害等級7級の基準慰謝料は1030万円であるところ、1500万円を認めたものである。

理由

裁判所は、後遺障害慰謝料につき、以下のとおり将来の治療の必要性等を理由に1500万円としたものである。

「前記認定のとおり,1審被告は,本件事故により障害等級7級に相当する後遺障害が残ったのみならず,将来的に疼痛,痺れ等の症状が改善と悪化を繰り返す蓋然性が高いことから,1審被告主張のとおり,症状固定後も通院して治療費や交通費を負担したり,RSDの症状の1つであるアロディニアによる疼痛を緩和するため手袋を着用する必要があると推認される。
しかし,治療行為としての必要性,通院の回数,手袋の買換の回数,価格,使用頻度等を含め,いずれも不確定的な要素が強いことに照らすと,アフタケアとしての治療,通院関係の諸費用や手袋の着用については,これらをいずれも慰謝料として斟酌するのが相当であり,以上の諸事実を総合考慮すれば,後遺障害慰謝料としては1500万円を認めるのが相当である。」