醜状傷害9級の逸失利益を否定し慰謝料900万円を認めた裁判例

神戸地方裁判所平成25年3月14日判決(自保ジャーナル1904号)

事案

原告は、交通事故により顔面挫創等の傷害を負い、症状固定時において右鼻翼部横右頬部から口唇部右上にかけて長さ5.4セ㎝、太さ3㎜の線状痕が残存していたほか、口唇部左下から下あご部にかけて長さ1.4㎝、太さ2㎜と長さ2㎝、太さ2㎜の色素を有する線状痕が残存した。

後遺障害等級

9級

自賠責において「外貌に相当程度の醜状を残すもの」として第9級16号に該当すると判断されており、訴訟においても9級にあたることを前提とした判断が行われている。

慰謝料

後遺障害慰謝料 900万円

後遺障害等級9級の基準慰謝料は670万円であるところ、900万円を認めたものである。

理由

裁判所は、後遺障害逸失利益について否定し、後遺障害慰謝料につき以下の理由により900万円としたものである。

「上記第2の2(3)及び上記第3の2(1)キの原告の後遺障害の内容、とりわけ、原告の醜状痕が9級に相当するものである上、前項のとおり、労働能力喪失を割合として評価できるほどに至っているとまでは認められないものの、就労に影響を与えること自体は否定できないことを考慮すると、後遺障害慰謝料は900万円とするのが相当である。」