醜状障害9級の逸失利益を否定し後遺障害慰謝料740万円を認めた裁判例

大阪地方裁判所平成28年7月8日判決(自保ジャーナル1985号)

事案

原告は、交通事故により顔面挫創等の傷害を負い、症状固定時において左ほおの横方向に長さ4cm、幅0.5cmの瘢痕、鼻梁から左ほおにかけて長さ約6.5cm、幅約0.5cmの瘢痕及び右鼻腔から上唇に向かって縦に長さ約2cm、幅約0.5cmの瘢痕が残存した。

後遺障害等級

9級

自賠責において「外貌に相当程度の醜状を残すもの」として第9級16号に該当すると判断されており、訴訟においても9級にあたることを前提とした判断が行われている。

慰謝料

後遺障害慰謝料 740万円

後遺障害等級9級の基準慰謝料は670万円であるところ、740万円を認めたものである。

理由

裁判所は、後遺障害逸失利益について否定し、後遺障害慰謝料につき以下の理由により740万円としたものである。

「原告の後遺障害が9級相当であることに加え、顔面の瘢痕は、労働能力には直接の影響を与えないとしても、日常的に露出されることによる原告の精神的苦痛は大きいものということができることを考慮し、上記金額を本件事故と相当因果関係のある後遺障害慰謝料と認める。」