交通事故で保険会社から同意書を求められたときの対応について解説していきます。
保険会社から交通事故の直後に求められる同意書については、署名、捺印して提出して問題ありません。
以下で詳しく説明していきます。
治療費支払いのための同意書
保険会社による治療費の支払い
交通事故の被害者が病院で治療を受けると、被害者の過失が非常に大きい場合や、その他支払いに問題があると考えられる場合でなければ、保険会社は治療費を支払うことになります。
これは、保険会社が病院に直接支払うこともあれば、被害者が一旦立て替え払いをし、保険会社から被害者へ支払われることもあります。
保険会社が病院に直接支払うときは、被害者が病院に支払う必要はなく、立て替え払いの負担なく治療を受けることができます。
被害者は、保険会社に通院する病院を伝えれば、担当者が病院へ電話して手続きをしてもらえます。
保険会社が必要とする資料
保険会社は、治療費を支払うにあたり治療内容を確認するため、病院に毎月の「診断書」「診療報酬明細書」を発行してもらいます。
保険会社は自賠責保険の請求のためにも「診断書」「診療報酬明細書」が必要となりますので、これら資料は必ず入手することになります。
被害者は保険会社に依頼すれば「診断書」「診療報酬明細書」をコピーしてもらうことができ、自賠責保険の被害者請求で利用することができます。
保険会社が診断書等を入手する方法
保険会社が病院に「診断書」「診療報酬明細書」の発行を求めても、治療にかかる個人情報ですから当然に発行してもらうことはできません。
被害者が個人情報を開示することに同意していることを示すため同意書が必要となるのです。
このように、交通事故の直後に送られてくる同意書というのは、保険会社が治療費を支払うのに必要となるものですし、被害者には治療を支払ってもらえるという利益になるものなので、提出しても問題ありません。
被害者からの提出が遅れ、保険会社が困ってしまうケースも少なくありませんので、治療費についての同意書は速やかに提出するようにしましょう。
医療照会のための同意書
保険会社による医療照会
保険会社は、被害者の治療中に病院に「医療照会」を行うことがあります。
これは、被害者の怪我について症状固定時期の意見を求めたり、休業の必要性について意見を求めたりするものです。
保険会社は、こうした医療照会の結果を理由として、治療費の支払いの終了や、休業損害の支払いの終了を通知してくることがあります。
医療照会のための同意書への対応
保険会社から医療照会のための同意書を求められたときに、どのように対応すべきでしょうか。
保険会社が有利な資料を入手するのを阻止するため、同意書を提出すべきではないという考えもあるかもしれません。
しかし、保険会社は「症状を踏まえて治療費を支払おうと考えていたのに、被害者の協力が得られなかった」として一方的に治療費を打ち切ってくる可能性が高いと考えられます。
保険会社が被害者の症状、治療状況を知ろうとすることが不当であるとまではいえませんし、同意書を拒否することが被害者にとって得であるとは考えにくいといえます。
むしろ、診察のときに医師とのコミュニケーションを十分にとり、治療継続の必要性や、休業の必要性について理解してもらい、医療照会への回答に反映してもらうべきと考えられます。
まとめ
保険会社が求める同意書については、治療費の支払いについての同意書は速やかに提出し、医療照会の同意書は医師に症状を十分に説明したうえで提出すべきです。